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うつの方を支える家族の方へ

 

このページはうつに苦しむ方を支援する家族の方にむけて書かれています。

 

家族や同僚はどのように支えればよいのでしょうか

 

うつは当事者にとっても辛いものですが、支える家族の方も接し方がわからなかったり、不安にとらわれてしまうことがあると思います。


たとえばこんな場合です。

 

*今まで元気だったのに、急に「死にたい」と言いはじめた。

 

*病気になる前は優しい人だったのに、今は些細なことで怒ったりする。人が変わってしまったみたいだ。

 

*会社への通勤をはじめて「元気になったかな」と思ていたら、急に「会社を休む」と言い始めた。

 

*自分の好きな仕事は楽しそうにやっているのだけれど、苦手なことや面倒な仕事は避けて人にやらせようとする。

 

*もう長いこと治療しているが、良くならない。いつ治るのかがわからない。

 

うつ病の特徴のひとつは「わかりにくさ」にあると思います。

 

うつの治療中の方でさえ、「自分が良くなっているのか?それとも悪くなっているのか?」が自分自身でもわからなくなってしまうことはよくあることです。

 

ですから支える家族の方が接し方に迷ってしまうのも無理のないことなのです。

 

このページではうつの方への接し方をお伝えしますが、その前にうつの特徴についてお話をさせてください。

 

 

うつには二つの特徴があります。

 

 

ひとつは「持久力や集中力を使うためのエネルギーが低下している状態」になることです。

 

うつのリハビリ出勤中でしたら調子が良さそうに見えても、元気なときの6割から7割くらいしかエネルギーはないでしょう。

 

 

もうひとつは「症状に波があること」です。

 

 

うつ病のリハビリ中は比較的調子がよくて気分がいいときと気分が憂鬱で落ち込むときを交互に繰り返していきます。

 

こうした波を繰り返しながら回復に向かっていくのです。

 

ところで、周囲の家族の方や、会社の同僚の方たちは、うつの方が調子のいいときや元気にしている時の様子が印象にのこりがちです。

 

ところが本人は元気なときの6割前後のエネルギーで仕事や日常生活をこなしているわけですから、すぐに消耗してしまいます。

 

消耗してしまったところに「うつの波」が「気分の落ち込みの時期」が重なると、急激に症状が悪化したように見えるのです。

 

 

「昨日までは元気だったのに、今日になって急に会社を休みはじめた」

 

「具合が悪いというので会社を休んでいるのに、旅行に行ってしまった」

 

このようなケースの場合、「本人のエネルギー不足」と「うつには波がある」ことを考え合わせれば理解もしやすいかと思います。

 

「問題行動」への対処法

 

うつ状態になると、言動や行動が別人のように変わることがあります。

 

今まで温厚だった人が怒りっぽくなって周囲に当たり散らす・・・

 

明朗で快活だった人がほとんど話をしなくなってしまう・・・

 

このようないわゆる「別人化」はうつの症状なのですが、このような「別人化」がおこるがゆえにさまざまな「問題行動」に結びつくことがあります。

 

下に例をあげます

 

過度な飲酒

 

インターネットの長時間使用

 

パチンコ等のギャンブルの依存

 

風俗通いや不倫など、異性関係の乱れ

 

リストカットなどの自傷行為

 

家族への暴言・暴力

 

これらの行動が結局は自分のためにはならないということは、当事者もわかっているのだと思います。
しかしながら、うつの苦しみを一時忘れるために、どうしても手放せないのです。
結果的にうつが悪化し、苦しみが続くことになってしまうのに、です。

 

当人が健常であるのならば、もちろん「やめてほしい」と伝えてもいいのですが、うつ状態に陥っているのであれば、多少配慮が必要です。
今の問題行動を力づくで止めようとしても難しいですし、本人は「問題行動」にしがみつくことによって自分をギリギリのところで支えているという面もあります。

 

このような場合でも、やはりうつの治療を優先し、「問題行動」への対処は当人の回復を待ってからにしたほうが、遠回りに見えて案外うまくいくことがありあす。

 

また、うつが回復するにつれて、問題行動も消えていくということもよくあることなのです。

 

*ただし、暴力と暴言だけはうけいれるべきではありません。暴力行為にさらされている方は一時的な退避なども検討しなくてはならないでしょう。

 

うつの方と会話する時のポイント

 

では以下に「うつ」の方と接する時のポイントをあげておきます。

 

励ましてはいけない(本人の罪悪感を刺激しない。)

 

「うつ」の当事者は罪悪感にとらわれてしまうことがよくあります。

 

たとえば・・・・

 

「自分がいることで、家族(職場)に迷惑をかけている」

 

「ものごと(仕事)がうまくいかないのは自分が頑張っていないからだ」

 

「いつまでも治らないのは自分の気合いが足りないからだ」

 

このような人に「もっと頑張れ」とか「気合いで乗り切れ」といった言葉かけを行うと、本人がもともともっている罪悪感を増幅させてしまうことがあります。

 

たとえば「頑張れ」という声かけを行うと

 

「『頑張れ』と言われてしまうのはやはり自分が周囲に迷惑をかけてしまっているからだ」

 

「頑張ろうとしても気力がわかなくて頑張れない。頑張れない自分はダメな人間だ」

 

といった具合に感じることがあります。

 

また、回復の途上で無理に本人を頑張らせてしまうと、かえって回復を遅らせてしまうことがあります。

 

善意の一言が傷つけることがある

 

本人の調子がよさそうな時にも声掛けに気をかけてください。

 

たとえば・・・

 

「もうすっかり大丈夫だね」

 

「早くよくなれよ」

 

「だいぶ元気がでてきたね」

 

これらの言葉は通常であれば善意のひとことなのですが、こと「うつ」の当事者にとっては辛いことがあります。

 

繰り返しになりますが、再度書きます。

 

「うつ」の症状には波があり、今気分が良くても、一時間後には気分が落ち込んでいたりということがあります。気分の小波を繰り返しながら回復していきます。

うつの波がちょうど具合が悪くなってしまったとき、「だいぶ元気がでてきたね」という善意の一言がつらく感じられてしまうことがあるのです。

 

たとえば次のような声掛けを参考にしてください。

 

「だいぶ顔色もよくなってきたみたいだけれど、まだまだ無理をしないでね」

 

「ここまでよくなってきたのだから、焦らないで治していこうね」

 

接し方に迷った時には

 

上でいろいろと「お勧めできない声掛け」を紹介してしまったため、かえって声掛けの方法がわからなくなったり、身動きくなってしまう家族の方もおられるとおられると思います。

 

しかしながら腫物にさわるような対応も実は「うつ」の当事者を苦しめてしまいます。

 

「本当はこう言いたいのだけれど、これは『禁句』なのだろうか」と迷うこともあると思います。

 

ではどうすればよいのでしょうか?

 

本人に聞いてみればよいのです。

 

「こういう時にはどう言ってあげたら一番楽なんだろう?」

 

「こういう言い方って辛く感じるかなあ?」

 

といった具合に素直に聞いてみてください。

 

「本人に聞いてみる」という姿勢そのものは共感的なコミュニケーションになりえます

 

*ただし、暴力と暴言だけはうけいれるべきではありません。暴力行為にさらされている方は一時的な退避なども検討しなくてはならないでしょう。

 

 

うつの方を支える家族の方へのカウンセリングについて

 

私はうつの方を支える家族の方を対象にしたカウンセリングを次のように考えています。

 

うつを支援する家族の方の辛さをしっかりうかがい、受け止めます

 

うつからの回復は、うつ当事者の方とその家族の方のコミュニケーションを良好に保つことがひとつのポイントになります。

 

しかし、誰かを支え続けることは非常にエネルギーのいることですし、また言いたいことを我慢したり、いろいろなことで不安になったりして大変なことだと思います。

 

当相談室はうつを支援する方のお話しをしっかりとうかがい、辛さを癒していきたいと思います。

 

「うつ」の当事者だけではなく、支える家族も非常に疲れます。「いつまでも治らない」ことにイライラしたり、不安を感じたり、怒りを感じてしまったり。。。

その気持ちは正当なものであり、人としてあたりまえの感情でもあります。

 

そんな時、「気持ち」を本人にぶつけるのではなく、カウンセラーにぶつけてみましょう。

 

うつ当事者の家族の方を対象に「うつ」の病態、症状、回復に向けたプロセスの説明し、「家族としてどう支えていくのか」を一緒に考えていきます。

 

「家族として力になりたい。でもどう支えたらいいのかがわからない」

 

「元気になったと思ったら、翌日には調子を落としている。大丈夫なのだろうか?」

 

こんな思いに捉われてしまうことはありませんか?

 

うつの症状はわかりづらく、また調子の波があるため、支える家族の方は不安に捉われがちです。

 

こんなとき「うつはどこまで回復しているのか?」「今の時期はどんなことに気をつけたらいいか?」のアドバイスを差し上げたいと思います。

 

 

こころの相談室  りんどう  担当カウンセラー 馬場健一

 

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参考文献  対人関係療法で治すうつ病  水島広子  創元社

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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